朝 社務所に向かう私の耳にピーヨ ピーヨ とかん高い声で鳴き交わす鳥たち
何処かしらと 周囲を眺めたら 一羽が戻るのと同時に一羽が飛び立った
鉄塔の上に戻った鳥がじっと座っている
あれはーーー トンビだと分かるのに 時間はかからなかった
この辺にはトンビがいる 時折 卵がかえるやら 幼鳥の姿を確認することができる
何故幼鳥と分かるかといえば 目が違う 成鳥の鋭い目の親鳥のそれとは違って 体こそ成鳥かと思うが目がまん丸であどけない様子である
大凡子育てをした母親なら分かるというものだ
戻ったトンビがじっと身じろぎもしないで何かを守っている様子 これは卵を抱いているのではないかー
そう思った私は写真を撮ろうと遠景から画面を押し広げて撮影を試みたが 自分の目にははっきり映っているにも関わらずモニターで クリアーな写真を確認できないーーー
近寄ろうにも相手はトンビ それも卵を抱いているとあっては軽々には近寄らない方が無難かもしれない
私は自分が懸命な選択をしたと自負しながら敗北感を昇華させて また社務に戻った次第である 後で 禰宜さんに望遠で撮ってもらおう